新だん紙｜質感と用途、ネット通販価格など【日本古来の高級紙を再現したファインペーパー】

表面の細かなシワと上品な色合いが特徴の「新だん紙」をご紹介します。
日本で古来より使われていたという儀式用の紙をイメージして作られた新だん紙は「和」と「高級感」をつなぐアイテムとして、料亭のお品書きや和菓子の包装用紙など、さまざまな用途にお使いいただけます。

そんな新だん紙の魅力やルーツ、具体的な用途などについて詳しく解説させていただきます。この紙のかもし出す独特の雰囲気にピンときた方は、ぜひ最後までご覧ください。

新だん紙　商品一覧｜業務ペーパー

新だん紙とは？

「新だん紙」は株式会社竹尾より販売されている銘柄のひとつで、ファインペーパーと呼ばれる特殊紙に分類されます。

竹尾の販売するファインペーパーの中にはヴァンヌーボやアラベールといった正統派高級紙からファーストヴィンテージ、レザックのような特殊紙の名にふさわしい独特の質感をもつものまで幅広くラインナップされているのですが、新だん紙は中でも一際異彩を放つ存在ということができるでしょう。

ご覧の通り、新だん紙の表面には他の種類の紙には見られないような独特の凹みでできた模様があります。
「しわ」とでも表現すればよいでしょうか。ざらざら、ごわごわといった感じともまた異なるこの手触りは、人によっては紙というよりあらめの布製品などを連想されるかもしれません。

この独特の手触りこそが新だん紙の一番の特徴であり、この紙のルーツとなる「壇紙」の質感を表現したものなのです。

新だん紙が再現する「壇紙」とは？

「壇紙」は日本古来より用いられていた和紙の一種で、宮中で執り行われる儀式用の紙、朱印状のような重要な公的文書、和歌や漢詩を書き連ねるための紙など、さまざまな場所で用いられていた高級紙とされています。

楮（こうぞ）を原料としてつくられたこの紙は耐久性が非常に高く、重要な文書を書き記す役割を果たしました。
陸奥国を主産地としたために「陸奥紙（みちのくがみ）」という名称でも呼ばれており、この名は「源氏物語」や「枕草子」にも書かれているそうです。

さらに、江戸時代末期には縮緬皺（ちりめんじわ）のつけられた壇紙が普及し、一般化しました。

このように日本の伝統ある高級紙として親しまれてきた壇紙をイメージして作られたのが「新だん紙」というわけですね。

新だん紙の色

• 雪
• 古染
• にぶ桜
• 朱
• えんじ
• あい

日本の古来からの文化を感じさせる風情のある色名が新だん紙のイメージをよく表していますね。

深みのある落ち着いた色は、次にご紹介する新だん紙の用途にとても適しています。

新だん紙の用途

そんな新だん紙は「和」を基調としたさまざまなシーンでお使いいただけます。
その代表的な例をいくつかご紹介します。

包装紙

新だん紙の用途として、人気が高いのが包み紙、包装紙です。
その人気の理由が独特の質感・存在感にあることはもちろんですが、もうひとつ、人気の秘密として豊富なカラーバリエーションが挙げられます。

白色系からカラー系まで幅広く、趣きのある色合いの色展開はどんな商品でもイメージを高め、自然かつ上品に包むことが可能です。

和菓子や山椒などの香辛料、お香などといった和の雰囲気を感じさせる商品の包み紙、かぶせ紙として多くの人に愛されています。

メニュー表

新だん紙はメニュー表としてもよく使われます。

和紙の素材感のある紙をおしながきに使用しているお店は数多くありますが、新だん紙の持つ一般的な和紙とはまた一味違った独特の質感と上品さは手に取るお客様に大きな印象を残すでしょう。

料亭や和食ダイニング、旅館はもちろん、レストランやバー、カフェ、高級クラブでも新だん紙製のおしながきやメニュー表が幅広く使われています。

一目見て触れて、すぐに「特別な紙」と感じられる強い存在感と高級感をもつ新だん紙は、結婚式の席次表や案内状などといったおめでたい場面でもとてもおすすめです。

クラフト用素材

新だん紙は厚みの割にコシが弱く、柔らかな印象を与える紙です。
そのためファインペーパーの中でも加工がしやすく、DIYを楽しむ多くの方の間で親しまれています。

特にブックカバーや封筒は人気が高いです。
こういったアイテムは初心者でも簡単に作れる上、新だん紙独特の手触りを存分に活かして楽しんでいただけるので、はじめての制作にもおすすめですよ。

新だん紙の価格について

最後に新だん紙の価格についてご紹介します。

竹尾の公式サイトを見ると、新だん紙の価格指標は「1」となっています。
この価格指標は竹尾の販売する最もポピュラーかつ代表的なファインペーパーである「ヴァンヌーボ」を基準にしたもので、新だん紙はファインペーパーの中では安くも高くもない、スタンダードな価格設定ということになっています。

とはいうものの、そこはやはり高級紙ですから、普段私達がよく見かけるコピー用紙などと比べると大きな差があります。

例えば、業務ペーパーでは連量80kg（厚さ0.21mm）、サイズ100mm×100mmの新だん紙を100枚で4,818円（税込）で取り扱っております。

高級紙の中ではお求めやすい方だとはいえ、1枚あたりが約48円ですからなかなか気軽に選ぶことのできる紙ではないかと思います。使いどころを見極めて、新だん紙の魅力を最大限いかせるような活用を心掛けたいですね。

【番外編】新だん紙きらら

以上、ご紹介してきた新だん紙ですが、この紙には「新だん紙きらら」という別バージョンの銘柄も存在します。

新だん紙きららは、新だん紙をベースとして表面に雲母（きらら）を思わせる光沢をあしらい、見る人に涼し気で華やかな印象をあたえる高級紙として完成されています。

カラーは「真珠」「金」の2色のみ、価格は新だん紙の倍近くとかなり尖ったスペックにはなりますが、よりインパクトの強い美しい印刷物をつくりたい方はこちらも検討されてみてはいかがでしょうか。