トムソン加工とは？由来や実例【紙の型抜き、穴あけ、ミシン目】

メジャーな紙の加工方法のひとつのトムソン加工は、パンフレットなどの冊子や、板紙や厚紙によるパッケージ、ミシン目加工などさまざまなシーンで活躍します。

そんなトムソン加工について、具体的な工程、用例などについて紹介させていただきます。

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トムソン加工とは？

トムソン加工とは、「トムソン型」と呼ばれる型を使って紙をくり抜いたり、切れ込みや折り目を入れる紙の加工方法です。

コストを抑え、なおかつ素早い日程で加工した印刷物を大量に生産できる加工として、印刷業界で広く親しまれています。

「トムソン」の由来

「トムソン」という名前は、トムソン加工を行う機械を最初に販売したアメリカのトムソン・マシン社に由来しています。
トムソン・マシン社が1909年にトムソン機を世に送り出して以来、100年以上もの長きにわたってトムソン加工は世界中で親しまれています。

ちなみに、日本だと「トムソン加工」という名称は主に関西で使われており、関東では「ビク加工（ビク抜き）」という呼称が広く使われています。

これは、関東では型抜き機としてビクトリア打抜機という機械を導入する工場が多かったためといわれています。

トムソン型とトムソン機

トムソン加工に使うトムソン型は、板の上に打ち抜きたい形に沿って刃が設置されています。
トムソン型は、設計に沿って樹脂やベニヤでできた板にレーザーで溝をつくっていき、その溝にあわせて刃（トムソン刃）を埋め込むことでつくられます。

あとはトムソン型をトムソン機に設置すれば、加工の準備は完了です。
刃が形づくる型に沿って、次々と紙に型が打ち抜かれていきます。

実際には、トムソン型をセットした後も、紙の特性（厚みやコシ等）に沿って微妙に調整を加える必要があり、ここがトムソン加工の工程で非常に難しいところなのですが、大まかには、トムソン型の作成と型による打ち抜きの2つの工程に沿って加工は進んでいきます。

トムソン加工の実例、印刷

では、トムソン加工で作成する印刷物をいくつかご紹介します。

冊子、本の表紙

パンフレットや会社案内など、軽めの冊子の表紙が文字やロゴマークの形に切り抜かれていて、その部分から最初のページの一部が見えているデザインの冊子をご覧になったことはないでしょうか？

このような冊子は、トムソン加工によって作られています。

表紙と切り抜いた形からのぞく部分を考えた型抜きのデザインは少々難しいですが、通常の本より独創的でユニーク、スタイリッシュで印象深い外観に仕上がります。
パンフレットや冊子だけでなく、子ども向けの仕掛け付き絵本や同人誌などで表紙の型抜きは人気の高い装丁です。

パッケージ

板紙・厚紙で箱型の商品パッケージをつくる際にトムソン加工はよく用いられます。
箱をくり抜いて中の商品が見えるように加工したり、穴をあけたり…といったさまざまなシーンでトムソン加工が求められます。

また、型を抜くだけでなく、箱に折り目をつけたり、箱を開けやすくするためにパッケージにミシン目や切れ目を入れたりするのも、トムソン加工が担う重要な役割です。私たちが普段から手に取っているお菓子やレトルト食品、薬品などなど…さまざまな商品のパッケージをかたちづくる技術として、トムソン加工は用いられているのです。

帳票などの書類

トムソン加工は厚紙だけでなく、薄手の紙にも対応できます。

連量45kg～90kg程度の紙であればトムソン加工による穴あけやミシン目をはじめとした切込み加工を行うことができます。

チケットや振込取扱票などに入ったミシン目はトムソン加工によってつけられています。

穴あけが必要な社内帳票やリング式ノート、リング式メモ帳、和綴じ製本などさまざまな商品の生産にトムソン加工が必要とされます。

実は私たちの身の回りにある様々な製品に用いられているトムソン加工。

業務ペーパーでは、紙の販売だけでなく、トムソン加工による印刷物の制作を承っております。
今回ご紹介した例の他にも「こんな加工で印刷物がつくりたいんだけど・・・」といったご要望があれば、ぜひお聞かせください。