send用途・イメージから探す

投稿日:2024.08.01

カテゴリ

食品包材のポジティブリストとは?包装紙や紙パッケージへの影響や対策

ハンバーガーの包み紙やお菓子の下に敷く台紙、紙製のコップやお弁当箱など、食品の包材として、紙は幅広く利用されています。

昨今では「脱プラ」の流れを受けて、紙パッケージに切り替える企業も増えてきました。
また、フードデリバリーサービスの市場拡大を背景に紙製容器の「おしゃれで加工しやすい素材」としての価値が見直されつつもあります。

そんな紙パッケージですが、やはり食品を扱う以上、注意しなければならない点がいくつかあります。
今回はその中でも、比較的最近になって導入された「食品衛生法」における「ポジティブリスト制度」について取り上げます。

制度の概要や紙パッケージを使う際に対応すべきことなどを解説します。紙パッケージの導入やプラ容器からの切り替えを検討されている方はぜひご覧ください。

 

ポジティブリスト制度とは?

ポジティブリスト制度とは、食品用パッケージや食器に利用できる素材や化学物質の含有量などを表(ポジティブリスト)にまとめ、記載されている内容以外の使用を原則禁止する制度です。

従来は記載内容の使用を禁止するネガティブリスト制度が採用されていましたが、この方式だと記載にない未知の素材や化学物質の規制に対応できないため、改正の運びとなりました。

ポジティブリスト制度は平成30年(2018年)6月13日に公布された食品衛生法の一部を改正する法律により導入が決定し、令和2年(2020年)6月1日より施行されています。

食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度について(2025年5月31日まで)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

ポジティブリスト制度の対象

ポジティブリスト制度が適応される対象は次の通りです。

  • 食器類全般(コップ、トレー、お箸、フォークなど)
  • 食品や添加物を直接包んでいる包材(箱、袋、包装紙など)
  • 製造や運搬の際に食品に直接触れる機器(製造機械、運搬具など)

プラスチック製のトレーや食器を製造する際に、原材料となる基ポリマー及び添加剤・塗布剤は、改正以降ポジティブリストの規格基準に則った管理が義務付けられています。

新しく採用されたポジティブリスト制度で対象となるのは合成樹脂(プラスチック)のみです。

合成樹脂のポジティブリストによる管理は、欧米など諸外国ではすでに制度化して久しいです。
そのため、2020年の改正では第一段階として合成樹脂がポジティブリストの対象となりました。

厚生労働省は今後、必要性を検討したうえで合成樹脂以外の材質についてもポジティブリストの対象として追加していく意向を示しています。

 

対象外の合成樹脂

すべての合成樹脂がポジティブリスト制度の対象ではありません。
下記の素材は対象外となります。

  • 加熱しても軟化しないゴム(熱硬化性エラストマー)
  • 紙に使用される合成樹脂のうち、食品接触面に層が形成されていないもの(顔料塗工、外添薬剤、内添薬剤等)

 

紙パッケージを扱う際の注意点

現時点では、ポジティブリスト制度は合成樹脂のみに適用される制度であり、業務ペーパーで取り扱っている食品対応の包装紙や台紙、紙トレーは制度の対象外となります。

ただし、紙パッケージの取り扱いと合成樹脂は無関係ではありません。

紙パッケージを作る際にポジティブリスト制度の対応が必要となる例を3つ紹介します。

 

食品の台紙

食品台紙にフィルムラミネート加工を施す場合は、ポジティブリストの規格基準に沿った材質を採用する必要があります。

 

木製の食器

木製食器の塗料に使われているラッカー塗料やウレタン塗料もポジティブリストの対象です。

プリンやヨーグルトの蓋材に使われる接着剤(ホットメルト接着剤)も合成樹脂が主な成分であり、制度の対象となります。

 

印刷のインキ

食品との接触部分への印刷にも注意が必要です。

現状、印刷用インキはポジティブリストに記載がないため、印刷が直接食品に触れることは食品衛生法で禁止されています。

紙パッケージや包装紙、台紙などに印刷する際は、ポジティブリストの規格基準に則って接触面にラミネートなどの加工を施す必要があります。

 

まとめ

普通の紙に見えても、耐水性や耐久性を高めたり、光沢を付加するために合成樹脂の加工が施されたものが少なくありません。

紙パッケージを作る上で、見栄えや耐久性はとても重要ですが、検討している紙が必ずしも食品用の包材として使えるとは限りません。

ポジティブリスト制度の対象となる素材かどうか、事前に確認しておくようにしましょう。

また、紙パッケージへの影響も、厚生労働省はポジティブリストの対象を拡大していく意向を示しているため、今後の法改正への対応にも留意する必要があります。


業務ペーパーでは、食品対応紙として利用可能な紙を多数取り扱っております。

食品用の包装紙 商品一覧|業務ペーパー

耐水性や耐油性、印刷適性の有無など、お客様のご要望に沿った用紙をご提案いたします。
ラミネート加工などの加工やオーダーカットにも対応しております。

「紙パッケージにどんな紙を選べば良いかわからない」
「良い紙を見つけたけど、食品用に使えるか不安」

そんなお悩みをお持ちの方は、お気軽に業務ペーパーへご相談ください。

 紙製品のご購入、加工のご相談お待ちしております|紙の通販 業務ペーパー

大ロットでのご注文やお見積もり、また商品に関するご不明な点等ございましたら下記よりお気軽にご連絡ください。

記事一覧に戻る

search紙の商品名や
用途・イメージから探す

さまざまな用途に応じた紙をご用意しております。
ご不明な点などございましたら、電話・メール等でお気軽にお問い合せください。

search絞り込み