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投稿日:2024.05.01

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電子書籍と紙の本どっちがいい?ジャンル別の使い分け比較まとめ

電子書籍は場所をとらず、辞書やコピー&ペースト、書籍内検索といった便利な機能を読みながら使える大きな利点を持っています。

その一方で、紙の本は今でも根強い人気を持っています。
この記事では、書籍の電子化と紙の本について、市場規模や利用者の意見をご紹介しつつ、紙の本が持つ根強い人気の理由を見ていきたいと思います。

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電子書籍の市場規模

公益社団法人全国出版協会の運営する出版科学研究所では、2014年より電子書籍の市場規模に関するデータが発表されています。

この調査によると、2014年の電子書籍の販売金額は1,144億円であったのに対し、2023年は5,013億円と4倍以上もの大きな伸びを見せています。

売り上げのシェア率は2014年段階で紙(書籍、雑誌):電子(電子書籍、電子雑誌、電子コミック)が約93:7の比率であったのに対し、2023年は約66:34となっており、この10年で電子書籍が私たちの生活に普及したことが分かります。

 

紙の本は本当に衰退した?

紙の本は市場シェアを93%から66%と大幅に落としましたが、中でも売り上げを落としたのが雑誌です。

紙の雑誌は2014年、7,600億円超の市場規模がありましたが、2023年には4,418億円と4割近くも売り上げを落とすこととなります。
紙だけでなく、電子雑誌も同じく10年間で145億円から88億円と大きく売り上げを落としたことから、雑誌メディアそのものがこの10年で大きく衰退したことになります。

 

電子コミックと紙のコミック

雑誌が売り上げを落とす一方で、大きな需要を獲得したのが電子コミックです。

電子コミックの出版売上におけるシェアは、2014年はわずか5.2%にとどまっていたのに対し、2023年は約30%にまで拡大しています。つまり、電子書籍の売上の9割近くは電子コミックが持っていることになります。

一方、紙のコミックは、2014年の売り上げが2,256億円であったのに対し、2023年は1,610億円に減少しています。確かに規模は縮小していますが、電子コミックスの爆発的な伸びを考慮すると、比較的緩やかな減り幅と言えます。

紙の書籍全体の売上げも約7,500億円から約6,200億円と2割弱の減り幅にとどまっており、電子書籍が台頭する中、かなりの健闘を見せています。

(参考サイト)
日本の出版販売額 出版科学研究所オンライン 
2023年出版市場(紙+電子) 前年比2.1%減の1兆5963億円、2年連続マイナス 電子コミックのみ7.8%増 BookLink
2014年度の電子書籍市場規模は前年比35%増の1,266億円 2019年度は2,900億円規模へ成長と予測 ~電子書籍市場規模に関する調査結果~ | インプレス総合研究所 impress.co.jp
日本のコミック市場:2023年の販売額は過去最高の6937億円、出版市場全体の4割以上 nippon.com

 

「本は紙で読みたい」

データを見てみると、紙の本の需要がすべて電子書籍に移行したということでもなさそうです。

むしろ、雑誌が衰退し、電子書籍が売り上げを伸ばす中で、紙の書籍は今も根強いファンからの人気に支えられている、という見方もできるのではないでしょうか。

hontoが2018年に行った調査によると、10代から60代までの男女のうち、紙の本のみを利用している層は男性62%女性69%、紙と電子書籍両方を利用している層は男性31%女性23%という結果がでています。

このデータから見る限り、まだまだ「本は紙で」という考えが主流のように思われます。
ただ、紙と電子書籍を両方使っていると答えた層は10代から30代にかけて多く、両者を使い分ける傾向が続くということも十分に考えられます。

(参考サイト)
書籍購入アンケート「紙の本と電子書籍の使い分け」 男女とも4割が「読むシーンで」と回答 ~生活者の書籍購入のオムニチャネル利用は進む~honto+

 

電子書籍と紙の本の使い分け(場所や目的別)

先ほどのhontoの調査によると、紙と電子書籍両方利用していると答えた層は、男女ともに4割近くが家や外出先など、読む場所やシーンによって両者を使い分けているようです。

確かに、電子書籍はスマートフォンさえあればどこでも読める上、紙の本のように広げる必要もありません。通勤電車の中などで読む場合は、紙の本よりも電子書籍の方が利便性が高いでしょう。

また、調査によると漫画は「電子書籍」、ビジネス書は「紙の本」など本のジャンルによって使い分けていると答えた層が男性15%女性8%、大事な本は「紙の本」で保管し、普段読む本は「電子書籍」にしていると答えた層は男性19%女性19%と、高いポイントを記録しています。

電子書籍を利用している層の中でも、紙の本が持つ「学習効果の高さ」や「コレクションとしての価値」が高く評価されていることが分かります。

 

「紙の本」としての需要が高いジャンル

調査結果からは、紙の本はまだまだ高い需要を持っていると言えます。

業務ペーパーでも、本の表紙や本文に使う紙についてご相談をいただくことがあります。中でも、次のような用途に関しては今でも紙の本の需要が高いようです。

 

専門書、学術書

紙の本の学習効果の高さは、多くの読者、学習者に評価されています。

ビジネス書をはじめ、参考書や問題集などといった学習や教育に関する出版物は、電子版では便利な機能が使えるにもかかわらず、紙の本が圧倒的なシェアとなっています。

そういった出版物の最たるものともいえる専門書や学術書は、装丁用の紙のご相談をよくいただきます。

学習性の高さに加えて、読者の平均年齢が高くなる専門書、学術書は、紙の本として出版した方が効果的にアプローチしやすいメリットもあります。

また、紙の本として出版物を刊行することが研究者としてのブランドイメージ向上につながる側面もあるようです。

 

画集、写真集、絵本

画集や写真集、絵本などアート関連の出版物も紙の本の需要が圧倒的に高いジャンルです。

インクの発色具合やページをめくる手触り、装丁のデザインなど電子書籍では味わえない体験や価値が、世界観の表現と結びついて印刷物がより一層魅力的に仕上がります。

いわゆる「飛び出す絵本」のような立体感のある仕掛けも、電子書籍では表現できない紙の本ならではの演出と言えます。

また、こういった書籍はおしゃれなインテリアとしても高い人気を博しています。
個人はもちろん、カフェやヘアサロン、セレクトショップなどの店舗でも、内装のアクセントにアート系の書籍を取り入れる例が少なくありません。

 

漫画、同人誌

電子コミックの売り上げが大きく伸びたとはいえ、紙の漫画はまだまだ読者からの人気を維持しています。

漫画ファンの間では初版本やビンテージコミックがコレクションとしての価値を持っていますが、これらはもちろん、紙媒体として発行されたものです。

また、作品の熱心なファンの中には、普段読む用とは別に保存用を購入するという方もおられます。
このような文化とも相まって、今でも紙の漫画本は一定の需要を持ち続けています。

あと、何といっても多いのは同人誌の需要です。

漫画に限らず、同人誌の世界では今でも紙の本での制作、頒布が大半を占めています。
同人誌は情報媒体としてだけでなく、即売会などイベントで参加者同士のコミュニケーションツールとしての側面も強いため、紙で制作する大きな付加価値があります。

また、内容だけでなく、装丁にもこだわりを持って制作する同人作家の方はとても多いです。
紙選びにしても、表紙だけでなく本文用紙にも質感や色合いへのこだわりを見せる方も少なくありません。

こういった本づくりの楽しみを味わえる点もまた、紙の本ならではの大きな魅力と言えます。

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まとめ

2010年代から急速に拡大した電子書籍市場ですが、その一方で紙の本は今でも人気があります。

学習効果の高さやコレクションとしての価値、装丁デザインの自由度など電子書籍がどれだけ普及したとしても、紙の本には多くの人に愛されるだけの強みがあります。

そしてやはり「紙の本を読むこと」そのものに付加価値を感じる読書ファンが多くいることが、根強い需要の背景にはあるのではないでしょうか。

質感やページをめくる音、本独特の匂いなど五感を刺激するさまざまな要素を楽しみつつ作品に没頭できる点も、紙の本の持つ大きな魅力といえるでしょう。


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