send用途・イメージから探す

投稿日:2025.12.01

カテゴリ

洋紙とは?作り方や種類、和紙との違い

「洋紙ってどういう紙ですか?」というご質問を、お客様からいただくことがあります。

業務ペーパーのような紙専門のECサイトや製紙メーカーで使われる「洋紙」ですが、一般的にはあまり耳にしない言葉かもしれません。

ということで、この記事では「洋紙」がどんな紙なのか、どのように作られているのか、また和紙との違いについても詳しく解説します。

洋紙とは?種類や原料

洋紙(ようし)とは、パルプを原料とした機械すき製法で作られた紙の総称です。日本古来の製法で作られる「和紙」とは大別され、主に下記のような比較的薄い用紙が「洋紙」に分類されます。

  • 印刷用紙(塗工紙、非塗工紙)
  • 出版用紙
  • 情報用紙(コピー用紙など)
  • 包装用紙(クラフト紙、純白ロールなど)
  • 新聞用紙
  • 衛生用紙
  • 雑種紙
  • 紙器用板紙
  • 段ボール原紙
  • 建材用原紙

明治時代にヨーロッパ、西洋から入ってきた製法であるため、「洋紙」という名がついています。

上質紙の商品一覧|業務ペーパー

包装紙の商品一覧|業務ペーパー

板紙の商品一覧|業務ペーパー

 

パルプとは?

ほとんどの紙は木材を材料に作られています。
ですが、木材をそのまま紙の材料として使えるわけではありません。

まず、木材を機械ですり潰したり、薬品で不要な成分を溶かしたりして、材料となる繊維を取り出します。取り出された繊維の塊が「パルプ」です。

現在、日本で使われているパルプは主に「機械パルプ」「化学パルプ」「古紙パルプ」の3つに分類されます。

 

機械パルプ 木材を機械ですりつぶして繊維化したパルプ。

強度は低めだが、製造のコストパフォーマンスが良い。

化学パルプ 薬品で木材成分(リグニン)を溶かし、繊維を取り出したパルプ。

繊維が傷みにくく、強度が高い。

古紙パルプ 回収した紙を再利用したパルプ。

環境配慮の一環として導入されることも多い。

 

洋紙の作り方

パルプを使って紙を作る機械を「抄紙機(しょうしき)」と呼びます。

抄紙機の種類によって製法や紙の特徴、用途が若干異なります。代表的な紙の製造方法を3つご紹介します。

 

① 長網(ながあみ)抄紙法

走行するベルト状の網の上に、パルプを溶かした液を流し、水分を抜きながら紙の層を作る方法です。

構造がシンプルで安定した品質が得られるメジャーな製法です。長網(ながあみ)抄紙法はコピー用紙や印刷用紙など、多くの紙の製造で使われています。

 

② ツインワイヤー抄紙法

上下2枚の網でパルプを挟み込み、同時に脱水して紙を作る方法です。繊維の分布が均一になる上、高速生産にも対応できます。

ツインワイヤー抄紙法も長網抄紙法と同じく、様々な紙の製造に使われています。

 

③ 円網(えんもう)抄紙法

円筒状の網を回転させ、パルプを付着させて紙を作る方法です。層を重ねやすいため、厚みのある紙に向いています。

特に、段ボール原紙や板紙など、強度が求められる用紙に円網(えんもう)抄紙法が多く使われています。

 

洋紙と和紙の違い

古来から日本で作られてきた紙を「和紙」といいます。
障子紙や料亭の敷き紙、書道や版画の用紙、伝統工芸品、うちわなど日用品など、現代でも和紙はさまざまな用途で使われています。

和紙と洋紙の最大の違いは原料にあります。

植物由来の素材を使っている点はどちらも同じですが、和紙の素材は楮(こうぞ)や三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)といった、日本に古くから自生している植物です。

これらの植物繊維はとても長く丈夫なため、洋紙に比べて和紙は耐久性が極めて高いのが特徴です。
1,000年以上前に和紙に書かれた古文書が綺麗なまま現代まで残っている例も珍しくありません。

和紙の商品一覧|業務ペーパー

和紙の種類と特徴、選び方、通販価格について

 

和紙と洋紙はどちらが優れている?

和紙は洋紙より優れた紙なのかというと、必ずしもそうとは言えません。

現代的な基準で見ると和紙は「生産に労力と時間がかかる」「サイズの調整が洋紙に比べて難しい」「印刷適性が低い」などがデメリットといえます。

均質で大量生産に向き製造コストが安価な洋紙は、大量消費や大量印刷を前提とした紙の需要に対応した紙です。そうした大量に安価に供給できる点では「洋紙の方が和紙よりも優れている」ということができるでしょう。

 

和紙のような洋紙?

 

実は、現在の日本では、厳密な意味での「和紙」に日常的に触れる機会はほとんどありません。

一般に和紙として親しまれている障子紙なども、多くの場合は和紙の風合いを再現した、パルプを原料に機械で抄紙された紙であり、分類上は「洋紙」にあたります。

これは、伝統的な和紙が手漉きで作られるため製造コストが高いことに加え、その技術を受け継ぐ職人の数が限られているためです。
伝統的な製法で作られる手漉きの和紙は、日本古来の技や文化を伝える伝統工芸品としての位置づけとなっているといえます。

しかし、洋紙ベースの和紙にも風合いや質感が人気の紙が数多くあります。
安定した品質で入手しやすく、印刷適性にも優れているうえ、現代の技術によって生み出された繊細な「和」の風合いを気軽に楽しめます。

こうした紙製品を身近に取り入れられるようになったことも、洋紙が私たちの生活にもたらしてくれた、一つの恩恵と言えるのかもしれませんね。

和紙みたいな紙 商品一覧|業務ペーパー

 

 紙製品のご購入、加工のご相談お待ちしております|紙の通販 業務ペーパー

大ロットでのご注文やお見積もり、また商品に関するご不明な点等ございましたら下記よりお気軽にご連絡ください。

記事一覧に戻る

search紙の商品名や
用途・イメージから探す

さまざまな用途に応じた紙をご用意しております。
ご不明な点などございましたら、電話・メール等でお気軽にお問い合せください。

search絞り込み