ノーカーボン紙とは？印刷できる？消せる？複写の仕組みや安く買う方法

「ノーカーボン紙」とは、上の紙に書いた内容がそのまま下の紙に写る紙のことです。伝票や契約書類などですっかりおなじみですね。

知らずにノーカーボン紙を使っていたという方も多いのではないでしょうか？

この記事ではノーカーボン紙について、似た種類の紙との違いや文字が写る仕組み、使用や印刷の注意点などを解説します。ぜひ最後までご覧ください。

感圧紙（複写紙、ノーカーボン紙）の商品一覧｜業務ペーパー

ノーカーボン紙とは？

筆圧を受けて、書いた内容がそのまま下に複写される紙が「ノーカーボン紙」です。

もともとは「カーボン紙」が使われていました。
カーボン紙は、筆記する紙と複写したい紙の間に挟む紙で、裏面にインク(墨や顔料などを混ぜ合わせたもの)が塗布してあります。
このインクが、筆圧を受けてそのまま下の紙に写る、というのがカーボン紙の仕組みです。

カーボン紙は複写がズレやすかったり、インクが手や別の書類について汚れやすいなど扱いづらいところがありました。
そうした弱みを克服した紙が「ノーカーボン紙」です。

ノーカーボン紙が複写する仕組み

「ノーカーボン」という名前の通り、ノーカーボン紙は間にカーボン紙を挟むことなく、下の紙に綺麗に転写することができます。

カーボン紙と違い、ノーカーボン紙は裏面を触ったり擦ったりしても、手が汚れることはありません。なぜでしょうか？
そこに、この紙の化学的なメカニズムが働いているのです。

【基本】ノーカーボン紙は3種類の紙で1セット

ノーカーボン紙は「上用紙」「中用紙」下用紙」と3種類の紙で1セットとなっており、異なる構造をしています。

上用紙と中用紙の裏面には目に見えない程の微細なマイクロカプセルが塗布され、中用紙と下用紙の表面にはカプセル内の染料と反応する発色剤が塗布されています。

• 上用紙（A紙）
  表面はなにも塗布されていません。
  裏面はマイクロカプセルが塗布されています。
  上用紙のマイクロカプセルの中には、インクのもとになる無色の染料が入っています。
• 中用紙（B紙）
  表面はマイクロカプセルの染料に反応する発色剤が塗られています。
  裏面はマイクロカプセルが塗布されています。
• 下用紙(C紙)
  表面は発色剤が塗られています。
  裏面ははなにも塗布されていません。

筆圧で色が出るしくみ

上用紙にペンで文字を書くと、その筆圧で裏面のマイクロカプセルがつぶれます。つぶれたマイクロカプセルの中から染料がしみ出し、中用紙と下用紙の発色剤と化学反応を起こして表面に色がつきます。

マイクロカプセル内のインクと発色剤が反応することで、上の紙に書いた文字が下の紙にも写ります。

マイクロカプセルに覆われている無色透明の染料は、上用紙の裏面を触ってもカーボン紙のように手が汚れることはありません。

複数枚に写せるのはなぜ？

ノーカーボン紙は上から順に、

• 上用紙、A紙（裏面にマイクロカプセル塗布）
• 中用紙、B紙（表面に発色剤、裏面にマイクロカプセル塗布）
• 下用紙、C紙（裏面に発色剤塗布)」

という順番に重ねて使用します。

間に挟まる中用紙は上用紙のマイクロカプセルと反応して発色して複写されると同時に、筆圧で裏面のカプセルが潰れ、さらに下用紙に複写されます。

ちなみに、複写したくない部分には特殊な薬液を塗って複写されないようにすることもできます。これを「減感処理」と言い、契約書の印刷など広く用いられています。

購入前にチェック！ノーカーボン紙の注意点

ノーカーボン紙のご購入を検討中の方に向けて、注意点や気をつけたい点や気になる点を解説します。

感圧紙、複写紙との違いは？

ノーカーボン紙を探していると「感圧紙」「複写紙」という言葉も頻繁に出てきます。「感圧紙(ノーカーボンタイプ)」と記載された商品もあります。

この3つはすべて、同じ種類の紙です。
メーカーや販売店によって名称が違うだけで、ノーカーボン紙で用途や使い方は同じです。気に入った価格や厚みのものを購入すればOKです。

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ノーカーボン紙を安く手に入れるには？100均に売ってる？

ノーカーボン紙は100均でも購入可能です。
ダイソーなどの100円均一ショップでは、ノーカーボン紙の納品書や注文書が販売されています。

ただ、これらの商品は中用紙の枚数が決まっているので、やや使い辛さを感じるかもしれません。印刷された様式が業務内容に合わないこともあるでしょう。

大量にノーカーボン紙を使用するなら業務用品や紙の専門店での購入をおすすめします。大量購入の割引もあり、まとめて購入すれば1枚あたりのコストがかなり安くできます。

ECサイトで購入すれば、重い紙の束を運ぶ必要もありません。

ノーカーボン紙に印刷はできる？

ノーカーボン紙は印刷して使うことができます。
文字や罫線などを印刷して、伝票や契約書をオリジナル制作する方も多いです。

ノーカーボン紙はとても薄いので、普通のプリンターではインクがにじんだり、紙詰まりを起こすリスクがあります。
プリンターでノーカーボン紙を印刷する場合は、「印刷用」のノーカーボン紙を使います。

事前にプリンターがインクジェットか、レーザープリンターか確認して対応している印刷用ノーカーボン紙を購入しましょう。

ノーカーボン紙はリサイクルできる？

ノーカーボン紙は古紙リサイクルにまわすことができません。

ノーカーボン紙に使われているマイクロカプセルや発色剤が、再生紙への色移りや紙質悪化などの原因になることがあるからです。

ノーカーボン紙は可燃ゴミとして廃棄するようにしましょう。
個人情報や取引内容など機密情報が記載されている場合は、シュレッダーにかけるか、自治体指定の機密書類回収サービスを利用するのがおすすめです。

複写した内容は消せる？

残念ながら、ノーカーボン紙に複写された内容を後から綺麗に消すことはできません。

ノーカーボン紙に複写された内容は、インクのように表面にのっているのではなく、紙の繊維の中で化学的に変化してできた色です。そのため、消しゴムで擦ったり、薬液で拭き取ったりしても消すことができないのです。

複写しない内容があらかじめ決まっているなら、上で紹介した減感処理をすると良いでしょう。
記載ミスなどは、二重線を引いて訂正印を押す方法が一般的です。

有効な消し方があれば知っておきたいところですが…

複写紙（ノーカーボン紙）のご注文は業務ペーパーへ！

業務ペーパーで取扱いのあるノーカーボン紙（複写紙、感圧紙）は大王製紙のニューマイクロペーパーです。

上用紙、中用紙、下用紙をそれぞれ個別にご購入いただけます(各1セット2000枚)。

ニューマイクロペーパーは国内シェアの約4分の1を占めるノーカーボン紙の人気ブランドです。印刷会社を中心に、多くの企業で信頼できるノーカーボン紙として長年選ばれています。

業務ペーパーでご購入いただけるニューマイクロペーパーは、厚みやサイズのバリエーションをご用意しております。ぜひご検討ください。

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