紙パッケージの種類、定番の紙、パッケージを紙化するメリット

パッケージを紙で作る、紙に切り替える

「おしゃれな紙のパッケージがつくりたい」

「商品のイメージに合うパッケージ用紙を探している」

「プラスチックから紙パッケージへの変更を検討している」

お客様から、こういったご相談を受けることがよくあります。
特に最近は「脱プラ」が注目されていることもあり、イメージアップの一環としてパッケージをプラスチックから紙に切り替える需要が増えてきている印象です。

とはいうものの、「紙のパッケージを扱ったことがあまりない」という方は、どういった紙で作ればよいのか迷ってしまうのではないでしょうか。

そこでこの記事では「紙のパッケージ」について、大まかな種類や選ばれやすい紙、扱いやすい紙などをご紹介します。

紙のパッケージにご興味をお持ちの方、パッケージの用紙選びにお悩みの方は是非ご覧ください。

紙パッケージの種類

紙パッケージと一口にいっても、実にさまざまな種類のものがあります。
菓子箱や段ボール、包装紙のほか、ポスターをいれる紙筒や本箱なども「紙パッケージ」といえます。

ちなみに、こういった紙でできたパッケージ全般を紙業界では「紙器（しき）」と呼んでいます。

紙器のタイプによって適した紙は違ってきます。
まずはどんなパッケージを作りたいのかを絞ることから始めましょう。紙器の中でも特に人気の高いものをいくつかご紹介します。

印刷紙器

印刷紙器は表面にカラー印刷が施された紙器です。

お菓子やレトルト食品、薬のパッケージなど最もオーソドックスなタイプの紙器です。
一般的には「紙箱」と呼ばれることも多いですね。

加工が容易で扱いやすく、商品にあわせた形に組むことができます。
上下に差し込みフタがついた「キャラメル箱」、底をノリで張り合わせて強度を保つ「ワンタッチ底」、枕のような形の「ピローケース」などのタイプがあり、印刷紙器が商品パッケージとして使われています。

貼り箱

貼り箱は、お酒や高級菓子、アクセサリーなど高級な商品のパッケージとして使われることの多い紙器です。
「化粧箱」と呼ばれることも多いですね。

印刷紙器との違い

印刷紙器と同じように見えますが、貼り箱は頑丈な板紙で箱を組んでから別の紙を上貼りすることで高級感を演出します。

製造にコストがかかる分、頑丈さと見栄えの美しさを両立できます。

段ボール箱

おなじみの段ボール箱も代表的な紙器のひとつです。

とにかく頑丈で、加工が容易な段ボール箱は、宅配物の梱包材やまとまった荷物の運搬用資材をはじめとして、さまざまな場所で活用されています。

実用性第一の段ボール箱ですが、カラフルな段ボールや、表面に印刷適性の高い紙を使った「美粧段ボール」と呼ばれる製品など、ビジュアルを重視した段ボール箱も作られています。

プラスチック+紙

「紙器」というにはやや変則的な例ですが、プラ容器の一部を紙化したパッケージが食品業界等を中心にトレンドとなっています。

例えば、冷凍食品のフタ部分を紙化したり、生鮮食品のプラ製トレーをラミネート加工した食品対応紙を真空パックしたものに変更するなどの例があります。

完全な紙化が難しいパッケージであっても、プラスチックの使用量、排出量を減らすことができる方法といえます。

紙パッケージに適した紙、扱いやすい紙

続いて、パッケージ用紙として人気の高い紙、扱いやすい紙を4点ご紹介します。

コートボール

紙器、パッケージに使われる最もポピュラーな紙がコートボールです。

表面にコート剤が塗布された印刷適性に優れています。
また、多層で抄かれているので頑丈さも折り紙つきです。「白板紙」と呼ばれることもあります。

コートボール裏ネズ（表面は白）

コートボール裏白（JETエース）

お菓子やレトルト食品で見かける裏地が灰色の箱は、片面のみコーティングされた「裏ネズ」というタイプのコートボールです。

一方、裏面もコーティングされたコートボールは「裏白」、あるいは「マニラボール」と呼ばれており、こちらはコスメや電化製品など、やや高級感のある商品のパッケージに使われます。

厚みのバリエーションも豊富で、「紙パッケージと言えばまずはこの紙！」と言ってしまっても良い紙です。

• 印刷紙器
• 美粧段ボール
• 貼り箱の貼り用紙

他にも、幅広い用途に使うことができます。
特に、印刷紙器をつくるなら、まずはコートボールから検討してみることをおすすめします。

コートボール裏ネズ　商品一覧｜業務ペーパー

コートボール裏白　商品一覧｜業務ペーパー

チップボール

チップボールは表面にコート剤の加工が施されていない板紙です。

印刷適性はなく、見栄えも良いとは言えませんが、ぶ厚く頑丈なチップボールは貼り箱のベース用紙として定番の紙です。

• 貼り箱のベース
• ハードカバーの本の中芯
• 型紙

他にも、頑丈な紙が必要とされるパッケージに高い需要があります。

チップボール　商品一覧｜業務ペーパー

裏白チップボール　商品一覧｜業務ペーパー

クラフト紙

クラフト紙は「クラフト製法」で作られた紙で、一般的な洋紙よりもパルプ繊維が長めな分、強度があります。パッケージ以外に梱包材としても幅広く使われています。

• パッケージ
• 包装用紙
• 封筒
• 緩衝材

木材を思わせるナチュラルな色合いが人気のクラフト紙は、天然素材やオーガニックをコンセプトにした食品やコスメのパッケージ用紙として採用されています。

印刷適性は高くなく、カラー印刷は色味がくすんでしまいますが、その沈んだ色合いが商品のイメージに合致することもあるでしょう。

より高級感が欲しいパッケージには、クラフト紙をイメージした特殊紙が採用されることもあります。

ちなみに、あえて木材色を漂白した「晒クラフト」と呼ばれる白いクラフト紙も存在します。

クラフト紙　商品一覧｜業務ペーパー

晒クラフト　商品一覧｜業務ペーパー

特殊紙、ファンシーペーパー

特殊紙は、エンボスなど特殊な表面加工が特徴の紙で、一般的な紙とは一線を画す質感や色味で高級感があります。
「ファンシーペーパー」「ファインペーパー」などと呼ばれることも多いです。

特殊な加工が施されている分、価格も割高になりますが、「特別感、高級感」を表現するなら特殊紙の右にでる紙はありません。名刺用紙にもよく使われますが、紙器としてなら貼り箱の上貼り用紙として使われることが多いです。

特殊紙には多くの種類がありますが、紙器に使われることの多い代表的な銘柄としては、革製品のような質感を表現した「レザック」や豊富な色合いとやさしい手触りが特徴の「マーメイド」、和紙のような風合いを表現した「しこくてんれい」などが挙げられるでしょう。

和風、ナチュラル、メタリックなど商品の傾向に合わせたパッケージをつくることができます。

特殊紙、ファンシーペーパー　商品一覧｜業務ペーパー

紙パッケージを使うメリット

最後に、紙をパッケージ素材に使う具体的なメリットについてご紹介します。

紙パッケージを作る際は、紙の強みを意識しつつ、コストカットとブランドイメージ向上につなげていくことができれば理想的ではないでしょうか。

印刷適性が高い

モノクロ、カラー問わず、思い描いた通りのデザインを容易に表現できる印刷適性の高さは紙パッケージの大きな利点です。

印刷コストが安く、小ロットから印刷、加工できる印刷会社、紙販売店も多いので、他の素材と比べて圧倒的に低いコストでオリジナリティの高い紙パッケージを制作・生産できます。

幅広い加工の選択肢

紙は非常に柔軟性の高い素材です。

その柔軟性ゆえに加工が容易で、用途に合わせて紙器を組んだり、折り重ねてつつむ包装紙、貼り箱のように高級感と頑丈さを両立させたりと、さまざまな使い方ができます。

また、箔押しや空押しといった特殊な加工を比較的安価に追加できます。

「商品を守る＋商品イメージの表現」という、パッケージの役割を抜群のコスパでこなすことができます。

環境問題への取り組みをアピールできる

紙のパッケージが人気を集めている理由に、「自然環境に配慮した取り組みへのアピール」があげられます。

特に、世界的にも注目されている「脱プラ」の動きを受け、パッケージ素材の需要がこれまでのプラスチック主体から紙へと大きく傾きつつあります。

紙のパッケージを採用することは「エコロジーな企業」としてのイメージアップ、ブランディングに大きな効果が期待できます。

業務ペーパーでは、パッケージ用の紙素材の販売、小ロットから加工、印刷を承っております。

パッケージ制作や紙の加工、ご入用の紙についてご質問や、ご相談などお気軽にお問い合わせください。