トレーシングペーパーとは？裏表の違いや用途別の使い方と価格

薄く透ける半透明の紙「トレーシングペーパー」は、絵や写真の上に重ねて書き写す（トレース）ための紙として広く用いられてきました。

学生時代、美術の授業でトレーシングペーパーを使ったことがある方も多いのではないでしょうか。

トレーシングペーパーは、創作や製図以外でもさまざまな使われ方をしている汎用性の高い紙です。

この記事では、トレーシングペーパーについての基本的な情報や種類、用途や費用感などを解説します。します。
トレーシングペーパーをご入用の方、薄くて丈夫な紙をお探しの方はぜひ最後までご覧ください。

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トレーシングペーパーとは？

トレーシングペーパーは主に複写などに用いられる高透明度の紙です。

薄くても破れにくい丈夫な紙であり、高い筆記性を備えています。また、普通の紙に比べて耐水性、耐熱性が高い特徴もあります。

その強みから、絵画制作や製図、木版画の版下絵の制作などに用いられており、創作や設計に携わる業種ではメジャーな紙素材のひとつです。

トレーシングペーパーの裏表の違い

一般的には表面がつるつるしている方が表、ざらついている方が裏とされていますが、筆記性は両面ともしっかりとあります。

「ざらざら面を裏にした方が紙がずれにくくて良い」
「つるつる面は鉛筆がのりづらく、光沢も気になるからざらざら面を表にした方が良い」
など、さまざまな意見があるようですので、好みで使い分けても問題ないでしょう。

トレーシングペーパーが透ける仕組み

トレーシングペーパーは、コピー用紙と比べてかなり薄口です。
しかし、ただ薄いだけではトレーシングペーパーのような高透明度の紙にはなりません。

トレーシングペーパーが透ける理由は、紙を構成する植物繊維の密度にあります。トレーシングペーパーは一般的な紙と比べて、繊維の密度が高いのです。

「繊維の密度が高いから透ける…？」
どういうことか、疑問に思われる方も多いでしょう。

仕組みをかんたんに解説すると、紙は本来、木材パルプを薄く引き伸ばすことで製造されており、無数の植物繊維によって構成されています。

紙の表面を顕微鏡で見ると、無数の細い植物繊維が絡み合っている様子が確認できるのですが、繊維間には微細かつ複雑なすき間がいくつも存在しています。

このごちゃごちゃとしたすき間のために、光が複雑に屈折して、まっすぐ通り抜けられないため、全体として紙は不透明に見えるのです。

つまり、この繊維間のすき間をなくす（＝密度を上げる）ことで、トレーシングペーパーのような高い透明度が実現するというわけです。

トレーシングペーパーに似た紙を用途で使い分ける

特性や用途から、トレーシングペーパーとしばしば混同される紙がいくつか存在します。

トレーシングペーパーと混同される紙は差異が少なく、場合によっては双方で代用し合うことも可能です。

「トレーシングペーパー」のカテゴリでグラシン紙やハトロン紙が販売されていることもあり、違いはかなり曖昧なものといえます。

ただ、パラフィン紙やグラシン紙は複写には扱いづらいため、複写であれば「トレーシングペーパー」として販売されている紙を購入するのが良いでしょう。

グラシン紙

グラシン紙はトレーシングペーパーと同様、薄く透ける紙です。製造の過程で原料に強い圧力をかけ、より薄く引き伸ばすことで繊維間のすき間を物理的に埋め、透け感を実現しています。

トレーシングペーパーも同じ製法でつくられることが多いため、ほとんど同じともいえますが、比べてみるとグラシン紙は若干薄めかつ、柔らかめに作られていることが分かります。

パラフィン紙

同じく、トレーシングペーパーと混同される紙に「パラフィン紙」があります。

パラフィン紙は含浸（がんしん）という、材料の内部のすき間に液体をしみ込ませる技術を用いて作られます。繊維間のすき間を光の通りやすい素材で埋めることで、透明度の高い紙になるわけです。

薬の包材などに用いられますが、製造に手間がかかるため割高で、トレーシングペーパーと間違って購入しないよう気を付けましょう。

ハトロン紙

ハトロン紙は片面に光沢のある褐色のクラフト紙で、封筒などに用いられます。

丈夫で、なおかつ薄く透けることから、洋裁用の型紙としても長く用いられてきたのですが、線がより見やすくなる白いトレーシングペーパーが好んで用いられているようです。

ただ、近頃はニーズに応えて、白く漂白されたハトロン紙も販売されています。

こうなると両者を分ける必要はあまりなく、型紙としては「好みのものを使えば良い」ということになりそうです。

トレーシングペーパーの用途

トレーシングペーパーは創作や製図だけではなく、ほかにも様々なシーンで用いられています。

食品対応紙

トレーシングペーパーは衛生的な非塗工紙であり、耐熱性、耐水性も普通の紙と比べるとかなり高い特性があります。

この特性をいかして、食品用の包材や敷き紙として使われているのをよく見かけます。
特にケーキなどの洋菓子、天ぷらなど揚げ物を扱うお店で使われています。食品対応紙としては、グラシン紙も人気が高いです。

ただ、ハンバーガーなど汁気を含む商品をトレーシングペーパーで包むとこぼれる可能性があるので、より水気に強い紙（PPラミネート加工を加えた薄葉紙など）が適しています。

冊子のカバー

本やノートのカバーにトレーシングペーパーが使われることがあります。

読書家の間ではお手製のトレーシングペーパー製ブックカバーが人気です。
書店でつけてくれるブックカバーと違い、トレーシングペーパー製のカバーは透けるので、蔵書量が多くても簡単に探しだせるようになるのです。

カラー印刷が可能なトレーシングペーパーは、淡く透ける特性をいかしたおしゃれな装丁も可能です。

他にも、冊子の遊び紙に使われたり、「古書感」を演出するための小道具としてトレーシングペーパーやグラシン紙のカバーがつけられたりすることもあります。（昔は本のカバーにグラシン紙やパラフィン紙が用いられていたため）

封筒用の帯紙

封筒をくるむ帯紙としてもトレーシングペーパーは人気です。
帯紙を巻くだけで、何の変哲もない封筒が特別感漂う「高級封筒」に早変わりします。

特に、結婚式でゲストに渡すお車代用の封筒にトレーシングペーパーが用いられているようです。

印刷適性の高いトレーシングペーパーはデザインも自由自在です。
イラストやレタリングを添えた素敵な封筒は、式を締めくくる存在としてゲストの心に深く印象をとどめてくれるでしょう。

おなじく結婚式用のプログラムや席次表に厚手のトレーシングペーパーが使われることもあるようです。こういった用途は結婚式に限らず、コンサートなどでもよく見かけますね。

トレーシングペーパーの価格感

トレーシングペーパーはメジャーな素材で、コストパフォーマンス

や品質を度外視すれば100円ショップでも手に入れることができます。

ただ、品質にこだわりたい場合や大量購入であれば、紙や美術用品、文房具の専門店やECサイトを利用した方が選択肢が広がる上、お得に購入できるのでおすすめです。

参考までに、業務ペーパーで取り扱っているトレーシングペーパーの価格をご紹介します。
業務ペーパーでは「薄口（紙厚0.05mm）」「厚口（紙厚0.09mm）」「特厚口（紙厚0.15ｍｍ）」の3つの厚みからトレーシングペーパーをお選びいただけます。

A4サイズ、100枚の場合、価格はそれぞれ以下のようになります。

※一般的なコピー用紙の紙厚は約0.09mm

業務ペーパーでは国内ではじめてトレペ生産に成功した三菱製紙のトレーシングペーパーを取り扱っています。
由緒正しい製法で作られた三菱製紙製のトレーシングペーパーは、薬剤塗工を一切行わない非塗工紙です。複写はもちろん、食品対応紙、印刷用紙としてお使いいただけます。

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業務ペーパーでは、他にもさまざまな種類の紙を取り扱っております。
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